ヘロン プレストン / HERON PRESTON
2017年、サンフランシスコ出身のヘロン・プレストンが創設したユニセックスのファッションブランド。デザイナー、ヘロン・プレストンはパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、ナイキのデジタルプロデューサーとして活躍。その後、カニエ・ウェストのクリエイティブ・コンサルタントを務めるなど、輝かしいキャリアを積んできた人物。長年の親友である、オフホワイトの創設者ヴァージル・アブローの後押しで自身のブランドを立ち上げ、ポストインターネット世代のユースカルチャーを代表するアイコン的存在として注目されている。既存のものや身近にあるものを新たに解釈し、型にはまることのないデザインを提案する。「ヘロン」は英語で鳥のサギを意味する。デザイナー自身サギを気に入っており、サギの口ばしのオレンジをシグネチャーカラーにしていたり、サギのプリントをたびたび用いている。意表を突いたコラボレーションも発表しており、ニューヨーク市衛生局との共同製作では、清掃の従業員が着ている作業服を取り入れた革新的なシリーズが話題を呼んだ。ファッション産業が環境問題に与える深刻な問題を知ったヘロン・プレストンが、自らのブランドとうまく結びつけることによりもっと世の中にその事実を知らしめようという姿勢がそこには表れている。ほかにも、NASA(アメリカ航空宇宙局)創設60周年を記念したコラボレーション・カプセル・コレクションを発表。宇宙服をストリートウェア風に解釈し、未来感のある素材を使ったスペースジャケットやシルバーのデニムジャケット、スウェットパンツなどをデザインした。2019年、パリでランウェイデビューを果たし、男女合同のショーとしてコレクションを発表。アメリカ合衆国運輸保安庁やセキュリティガードなどのユニフォームやアイテムからインスパイアされ、輸入禁止のグッズやブルックリン海軍工廠で見つけた立ち入り禁止の看板、日本のデコトラといったさまざまなものをコレクションに落とし込んだ。ブランド初となるUGGとのコラボでは、レザー製のジップフロントの定番ブーツとローカットスリップオンの2型をデザイン。また、ナイキとは「ハラチ」のオリジナルモデルを展開した。ベラ・ハディッドやケンダル・ジェンナー、ヘイリー・ビーバーなど今をときめくモデルたちが愛用しているブランドとしても広く知られている。